【ネタバレ有】メアリと魔女の花 感想【ジブリじゃなくてポノック】
本日は現在公開中の「メアリと魔女の花」の感想をつらつらと述べていきます。
それでは事前情報を少し…
この作品はかの有名なスタジオジブリ作品ではなく、スタジオジブリに在籍していたスタッフが新たに設立した「スタジオポノック」の初長編作品です。
そもそもスタジオポノックとは?
2014年にスタジオジブリの制作部が解体しました。それに際して制作部のスタッフが解雇を言い渡されます。
長年スタジオジブリに携わってきたスタッフたちが集まり新たに立ち上げたのがスタジオポノックなのです。
ただこの話…続きがありまして、今年の5月にスタジオジブリの制作部が復興しまして新人スタッフを募集しなおすという…ちょっとダメダメなことしちゃうんですよね 笑
まぁスタッフ同士にしかわからない背景があったのかもしれないのでそこは何とも言えませんが…
監督は「借りぐらしのアリエッティ」で監督デビューを果たした米林宏昌
原作はイギリスの女性作家が1971年に発表した作品みたいです。
ジブリ作品では毎作、注目されるキャッチコピーは「魔女、ふたたび」
映画を見る前は「このキャッチコピーの魔女は『魔女の宅急便』のキキのこと…?」と思っていたんですが、見た後は「あーなるほど、あの魔女のことね」となりました。
------------------------------------------------------------------------------------------------
簡単なあらすじは以下の通り
時は昔、赤毛の魔女は魔女の国から「夜間飛行」という花の種を盗み出すが、逃走中に力尽きて乗っていた箒と共に種を森に落としてしまう。
数十年後、11歳の少女メアリ・スミスは大叔母シャーロットが住む赤い館に引っ越して来たが、テレビやゲーム機が無く退屈な日々を過ごしていた。ある日、メアリは赤い館を訪れた12歳の少年ピーターと出会うが、彼の飼い猫ティブとギブを追って森に辿り着いたメアリは、花開いた夜間飛行を見つけ、1輪を赤い館に持ち帰る。翌日、ティブを追って再び森に来たメアリは、赤毛の魔女が落とした箒を見つけるが…【Wikipediaより転載】
-------------------------------------------------------------------------------------------------
この作品はコンプレックスを抱えながらも明るく快活に生きる少女、メアリ(CV 杉咲花)の成長物語となっています。
メアリがとても応援したくなるいいキャラクターなんですが、さすがジブリ節を継いでいるだけはあります。
登場するキャラクターすべてに味がある!
見え隠れするジブリファンへのサービスショット?
この作品を見に来るお客さんは十中八九ジブリに対するそれと同じ期待を持つと思います。
僕が見た限りでは「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「ハウルの動く城」「魔女の宅急便」「崖の上のポニョ」のオマージュのような描写がちらほら見られました。
もう一回観ればもっと見つかるかも 笑
あとこれもジブリ節というべき点ですが食べ物が美味しそう!笑
作品の舞台、イギリスの風景とそれに合ったイギリス料理が非常に美味しそうに描写されています。
今までも結構ネタバレでしたがここから核心に踏み込んでいきます!【ネタバレ】↓
最初から終盤まで物語のカギは「魔女の花」
今作品のタイトルにもなっている魔女の花、通称「夜間飛行」
メアリはこの夜間飛行を偶然?導かれて?森の中で発見します。
この夜間飛行は強大な魔法の力が秘められており、魔法使いではないメアリが使っただけで強大な魔法が一定期間ながら使うことができるという代物。
この夜間飛行をメアリが発見したことで彼女とピーター(CV 神木隆之介)の運命は大きく変わっていきます。というかピーターに関しては完全に巻き込まれた形ですが 笑
メアリがこの夜間飛行を使って(天才的な)魔法使いだと思われることで自身のコンプレックスだった赤毛のくせっ毛までも「才能ある魔法使いは皆このような髪に憧れますよ」と魔法学校校長のマダム・マンブルチューク(CV 天海祐希)に褒めちぎってもらえる。
中盤のストーリーは割愛しますが紆余曲折ありメアリは物語の終盤、最後の一粒残った夜間飛行を空に投げ捨てるのです。
「私にはもう必要ないから」
だったかな…確かこんなセリフを言いながら投げ捨てていました。
僕はこの行動とセリフでこの物語の教訓というか言いたいことを表そうとしているのかなーと思いました。
まぁ一言で言ってしまえば「足るを知る」っていることなんでしょうね。
メアリがずっとコンプレックスに思っていた失敗続きな自分にしても髪の毛にしても、否定せずに向き合っていこうとしているのではないでしょうか
だからもう私には魔法の力は必要ないの!と言っているように思えました。(僕なら間違いなくポケットに隠し持つけども)
ジブリ作品では毎作品何かしらの教訓めいたテーマを持たせているので今作品でもその傾向は引き継がれているのではないでしょうか
パクリか否か
注目作品だけあってすでに多くの人がこの作品の感想をブログで語っています。
その中で多く見かける意見が「この作品はジブリのパクリだ!」というものです。
ですが僕はこの映画を見て「パクリ」とは思いませんでした。
スタジオポノックは全体の8割が元ジブリのスタッフで構成されておりその源流は当然ながらジブリです。
上記にて少し触れていますが過去のジブリ作品の「オマージュ」と感じる描写はいくつかありました。もしかしたらその点が、「パクった」ように見える人もいるのでしょう。
悲しいかなこれも一つの特徴「ご都合主義」
先に述べておくと僕はこの作品を見て非常にいい作品だと思いました。
ただ一つ苦言を述べるとすれば、ちょっと都合がよすぎるシーンが多い、という点です。
具体的にいうと僕の好きなフラナガンがピンチになるといつも箒を持ってきてくれる点。まぁ正直この作品における彼の役割って8割がこれなんです。笑
あと物語の最後、箒の魔法の力が戻っていたのってなんで?
これが一番もやっとした点です。
子供も見る映画なのでしょうがないといえばしょうがないのですが、贅沢を言えばせめて最後の箒の一件はしっかりと理由付けしてほしかった…。
まとめ
少し文句を言ってしまいましたが、僕はこの映画は改めてゆっくり観たいと思えました。
主人公メアリが成長、大切なことに気づいていく姿が本当に応援したくなりました。
主人公を応援したくなる作品って絶対にいい作品だと思いませんか??
まだ全国の映画館にて公開中のはずなので皆さんにもぜひご覧いただきたいです!
では最後にこの物語の案内人、黒猫のティブと共にお別れしましょう。
では
Takuya